障害者枠の給料では生活できない?障害者枠の給料事情や収入を上げるためのアプローチを解説

障害がある方の働き方として、近年採用枠が広がっている障害者枠という選択があります。合理的配慮を受けられたり、障害にあわせた働き方ができたりするメリットがある一方で、「障害者枠での収入では生活が厳しい」という問題が話題になることも少なくありません。

たとえ働きやすい環境であっても生活が難しいのであれば、転職や就職をためらってしまうでしょう。そこで今回は、障害者枠のメリット・デメリットや、障害者枠の収入では生活できない問題は本当なのか、解決策はあるのか社労士の意見を聞きながらその実態を具体的に解説します。

この記事はYORISOU社会保険労務士法人監修のもと作成をしております。

監修:YORISOU社会保険労務士法人
(松山純子、大内一彦、柏原花菜、古川崇史)
代表 松山純子。2006年6月に独立開業、2017年10月に法人化。
従業員が自分らしく継続して働くことができるよう、病気・育児・介護と仕事の両立支援を積極的に支援しています。

企業側と従業員側の両方の視点を持ちながら、障害者雇用コンサル、障害年金の手続きをおこなっております。

「障害者枠の給与では生活できない」は本当?

「障害者枠の給与では生活できない」は本当?

障害者枠の給与が低い、生活できないという声を、ネットで見かけたことがあるという人も多いのではないでしょうか。実際に障害者枠の給与は残念ながら、一般枠と比較すると低い水準にあります。

令和5年の一般枠の平均給与は460万円であるのに対し、同年の身体障害者は平均約282万円、知的障害者は平均約164万円、精神障害者は平均約179万円、発達障害者は平均約156万円と、大きな差があります。

これは就労時間や労働能力の違い、正規雇用と非正規雇用など、さまざまな要因が関わった結果といえます。短時間勤務や非正規雇用の割合が多く含まれる障害者枠の平均給与は、どうしても低くなる傾向にあるのです。

そのため、障害者枠の給与では一人で自立した生活がままならないという声は、あながち大げさではありません。

引用元
令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁
令和5年度障害者雇用実態調査|厚生労働省

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障害者枠の給与が低くなる3つの理由

障害者枠の給与が低くなる3つの理由

障害者枠の給与が低くなってしまう原因は、大きく3つあります。

  1. 週の労働時間が短い
    時短勤務や週2~3日勤務の場合、フルタイム週5日勤務と比較すると、時給換算ではあまり差がなくても、総額では大きな差になってしまいます。
  2. 障害のためにできる仕事の種類が限られ、職種が限られてしまう
    障害によっては重いものを運べなかったり、移動に制限があったり、小まめな休憩が必要になる場合があります。そのため、ほかのフルタイムの社員と比較するとできる仕事の範囲が少なくなってしまうケースがあります。
    従事する業務の内容にあわせて給与が設定される場合、それが原因で低くなっているケースは多々あります。
  3. なんらかの理由で通常の勤務よりもできる仕事の幅が少なくなってしまうため、特別措置の対象になっている
    できる仕事の範囲が少なくなってしまう場合、最低賃金の減額の特例許可制度によって、最低賃金よりもさらに低い賃金の設定が可能になります。

企業での障害者枠の割合

現在日本では障害者雇用促進法と呼ばれる法律に基づいて、行政機関や民間企業に対して障害者を雇用することが求められています。法定雇用率というものがあり、行政や民間企業など、それぞれに設定された雇用率を上回る数の障害者を雇用しなければいけません。

2024年3月現在の法定雇用率は国・地方公共団体が2.6%、都道府県の教育委員会が2.5%、そして民間企業が2.3%です。

また、民間企業の雇用率は2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%へと引き上げられることが決定しています。

 
キャリアアドバイザー
「残念ながら障害者手帳を所持していない障害者は雇用率の算定対象外ですが、「障害者基本法」で示されているように、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」という理念に基づいて、障害者を「数」でみるのではなく、「人」として接していくことが必要ですね。」

障害者枠の雇用形態

障害者枠の雇用形態はさまざまです。もちろん正社員として働いている人もいますが、厚生労働省が発表した「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、正社員の割合は身体障害者の59.3%、知的障害者は20.3%と精神障害者では32.7%となっています。

正社員求人自体が少ないことだけでなく、体力面や精神面などを考慮して、あえて非正規として働くことを選ぶ人がいることも理由の一つです。

引用元
令和5年度障害者雇用実態調査|厚生労働省

障害者枠での労働時間

先に述べた「令和5年度障害者雇用実態調査結果」では、障害者枠での労働時間についても説明がされています。

週30時間以上働いている人は、身体障害者で75.1%、知的障害者で64.2%、精神障害者で56.2%、発達障害者で60.7%です。週20時間以上30時間未満で働いている人は、身体障害者で15.6%、知的障害者で29.6%、精神障害者で29.3%、発達障害者で30.0%です。自身の体調面や通院などの事情を考慮して無理のない勤務ができるかどうかを応募する際に確認をしておきましょう。

障害者雇用促進法では週20時間以上で雇用率にカウントされるため、週20時間以上の労働が最低条件となります。ただ、「令和5年度障害者雇用実態調査結果」をみると、週20時間未満で働く障害者も一定数存在しています。企業によっては例えば最初の1ヵ月は週20時間勤務でスタートして、様子を見て少しずつ勤務時間を増やしていくなど、柔軟な対応をしてくれるところもあるので、身体を徐々に慣れさせていけるのは安心ですね。

引用元
令和5年度障害者雇用実態調査の結果|厚生労働省

障害者枠とは?

障害者枠とは、障害がある人のために設けられた雇用枠のことです。たとえ障害があったとしても職業生活を通して、自立した自分らしい生活を送れるように、国が率先して障害者の雇用対策を進めています。

現在ハローワークが取り扱っている求人は、大きく分けて2種類。誰でも応募ができる一般枠、そして一定の障害がある人のみが応募できる障害者枠となっています。

障害者枠は障害がある方が仕事をする際にさまざまな合理的配慮を受けて、働きやすくするためのものでもあります。近年、企業の採用義務が強化され、障害者枠は拡大されており、発達障害や精神障害も障害者枠に含まれるようになりました。

対象となる人

障害があったとしても、全員が障害者枠に応募できるわけではありません。身体障害者手帳や療育手帳(知的障害者が対象)、または精神障害者保健福祉手帳のいずれかを持つ人が対象です。

ただし知的障害者の場合は、児童相談所、知的障害者更生相談所などの「知的障害者判定機関」で発行された判定書でもOKとされることもあります。

現在の制度では、発達障害に特化した公的な手帳はありません。しかし障害程度によっては精神障害者保健福祉手帳を取得できるため、精神障害者として障害者枠の利用が可能です。

障害者手帳をすでに持っていたとしても、障害者枠ではなく一般枠を受けることもできます。障害者を雇用している企業や福祉業界では、障害を開示せずに一般枠として働くことをクローズ、障害者枠で働くことをオープンと呼ぶのが一般的です。

「一般枠」との違い

一般枠と比べた障害者枠の大きな違いは、さまざまな場面において配慮がされることです。障害があることを前提として採用しているため、一人ひとりの障害特性などに応じた配慮をしてくれます。

勤務日数や勤務時間、休憩の取り方、職場環境、そして業務内容といったあらゆる部分に対して、働きやすいように工夫をしてくれるのが通常です。

最近ではコロナウィルス対策として、Web面接のみで内定に至るケースも増えてきました。また、多くの企業で在宅勤務も導入されてきており、通勤をすることが困難だったり、職場での環境に影響を受けやすかったりする障害者が安心して働ける条件を選択できるようになってきています。

一般枠と障害者枠は相互に移行できる

一般枠で就労したがなんらかの理由で障害を負ったり、就労の継続が難しいと判断した場合、企業と相談の上で障害者枠に移行することができます。また反対に、精神障害などが回復した場合は一般枠に移行することも可能です。

もちろん企業内の制度や受け入れ体制にもよるため、必ずしもすべての企業で対応しているわけではなく、対応している場合も障害者雇用の割合に影響するため事前に綿密な相談が必要になります。

ほかにも合理的配慮は受けられませんが、障害者枠ではなく一般枠で就職し、障害をオープンにしながら働く人も少なくありません。

障害者枠のメリット・デメリット

障害者枠にはメリットとデメリットがあります。障害者枠で応募をする前にどのようなメリットやデメリットがあるのかを、しっかり確認しておきましょう。

採用された後に「こんなはずではなかった」と、後悔しないためにも事前に確認をしておく事が重要になってきます。

障害者枠のメリット

障害者枠で働くことの最も大きなメリットは障害をオープンにすることで、働き続けるための配慮を得られることでしょう。前述したように障害者枠では障害がある前提で企業が採用をします。業務を遂行する上で必要な配慮を、できる範囲で行ってくれるのは大きなメリットになります。

企業によっては障害者雇用の担当部署があったり、担当者が個別に付いたりすることもあるため、何か困ったことがあっても相談できるような体制になっている場合もあります。

身体障害者を雇用している企業では、バリアフリーなどの物理的環境がすでに整っていることも少なくありません。車いす利用者や視覚障害者なども、安心して仕事をスタートできますね。

また応募できる人が障害者手帳保持者に限定されるため、一般枠よりも競争率が低いこともメリットに挙げられます。大手企業も積極的に障害者雇用を進めているため、一般枠では採用が難しい会社で働けるチャンスがあるかもしれません。

障害者枠のデメリット

障害者枠のデメリットは、大きく3つ挙げられます。

  1. 非正規社員や非フルタイム勤務の割合が高い
    障害の内容によっては、フルタイムで働くことが体力的・精神的に難しく、短時間勤務を希望するケースも多々あります。 また、有期雇用が多く、職歴が増える一方で勤続年数が短いため、全体の給与が上がりにくいのも障害者枠の特徴です。
  2. 大都市圏以外での求人が少ない
    東京や大阪のような大都市圏では障害者枠の求人も豊富で、職種やキャリアの幅も選べます。しかし、地方によっては求人がほとんどないというケースもあります。働きたいと考えていても、肝心の障害者枠が見付からないという状況に陥る可能性は考慮しておく必要があるでしょう。
  3. 障害者枠の求人はルーティンワークが多い
    求人を出す企業は、応募の間口を広げるために、障害の内容を問わずにできる業務を用意する必要があります。そのため障害の内容について配慮を重ね、色々な可能性を考慮した結果、事務職や軽作業といったルーティンワークの求人が増え、キャリアの幅が狭まってしまうのです。

これらのデメリットの解決法として「オープンポジション」求人への応募があります。オープンポジション求人とはポジションサーチ求人とも呼ばれ、応募した求職者の経験やスキルにマッチする業務を企業側が探してくれる求人のことです。

専門性が求められる職種であれば、経験やスキルに応じた高い年収の提示を受けることが可能です。

障害者枠雇用の給料事情

障害者枠雇用の給料事情

障害者枠雇用の給料事情は、令和5年度障害者雇用実態調査の結果から、障害の種類や勤務時間によって大きく異なることがわかります。

以下の表は、それぞれの障害の種類の平均給与を、平成30年度(2018年)と令和5年度(2023年)で比較したものです。

障害種別令和5年度(2023年)平均賃金平成30年度(2018年)平均賃金
身体障害者23万5,000円21万5,000円右
知的障害者13万7,000円11万7,000円
精神障害者14万9,000円12万5,000円

このデータから、すべての障害の種類において、前回の調査結果よりも平均賃金が上昇していることがわかります。しかし、同時に課題も浮き彫りにしています。

例えば、障害の種類別の労働時間は、以下の通りです。

週間労働時間身体障害者知的障害者精神障害者
30時間以上75.1%64.2%56.2%
20時間以上30時間未満15.6%29.6%29.3%
10時間以上20時間未満7.2%3.2%8.4%
10時間未満1.2%2.1%2.7%

この表からわかるように、障害者雇用においては、一般的な労働時間よりも時短勤務が多いことがわかります。時短勤務の影響などが、全体的な平均賃金を押し下げている可能性があると言えるでしょう。

引用元
令和5年度障害者雇用実態調査の結果|厚生労働省

障害者枠で給料アップを目指すポイント

障害者枠で給料アップを目指すポイント

障害者雇用枠での就労において、給料アップを実現することは多くの方の願いです。ここからは、障害者枠で働きながら給料アップを目指すための具体的なポイントを見ていきましょう。

1.正社員雇用などキャリアアップする

障害者雇用において、非正規雇用の割合が高いことは大きな課題の一つです。給料アップを目指すためには、まず正規雇用への道を探ることが重要です。

多くの企業では、非正規から正規雇用へと移行する正社員登用制度を設けています。この制度を活用することで、雇用の安定性が高まるだけでなく、給与や福利厚生の面でも大きな改善が期待できるでしょう。

2.資格を取得する

資格取得は、障害の有無に関わらず、給料アップを目指す上で効果的な方法の一つです。業務に関連する資格を取得することで、現在の仕事における専門性が高まり、より高度な業務を任されるようになる可能性が高まります。これは直接的な給与アップにつながる可能性があります。

また、多くの企業では資格取得自体を評価し、資格手当という形で給与に反映させる制度を設けていることも。例えば、IT関連の資格を取得すれば、システム管理や開発の分野でより重要な役割を担えるようになるかもしれません。

3.転職する

現在の職場で給料アップの見込みが薄い場合、転職を検討することも一つの選択肢です。障害者雇用市場においても、企業間で待遇に差があるのが現状です。より条件の良い職場に転職することで、給与面での改善を図ることができる可能性があります。

転職を考える際は、給与だけでなく、福利厚生の充実度も重要な検討ポイントです。例えば、通勤手当・住宅手当・健康保険の補助率・有給休暇の日数・障害に配慮した職場環境など、総合的に見て生活の質を向上させる要素を持つ企業を選ぶことが大切です。

福利厚生が充実していれば、たとえ給与自体が大きく変わらなくても、実質的な収入増加や支出の抑制につながり、生活の安定化が図れるでしょう。

障害者枠の給与では生活できない問題を解消する3つの方法

障害者枠の給与では生活できない問題を解消する3つの方法

一般枠の平均給与と比較すると低い水準にある障害者枠の給与ですが、生活できない問題を解決するにはいくつかの方法があります。

その中でも実効性の高い3つの方法を紹介します。

  1. さまざまな制度を使用して金銭的な援助を受ける
  2. 副業をして収入を増やす
  3. 自分にもっと適した仕事を探し、キャリア形成を視野に入れて転職する

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

制度を利用する

現在日本には、障害者向けのさまざまな制度があります。以下で紹介する制度を上手に活用することで、足りない収入を補うことができるようになるでしょう。

障害年金

まずは障害年金です。一定の要件を満たした場合に、2か月に1回、定期的に年金を受け取ることができます。

障害基礎年金の受給額は令和5年4月現在で1級が年間993,750円、2級が年間795,000円です。さらに厚生年金に加入したことがあれば、加入期間や平均標準報酬額に応じて障害厚生年金を受け取れる可能性があります。年金受給要件を満たせば、定期的にまとまった金額が入ってくるので、とても安心できますね。相談先は年金事務所や区市町村の年金担当課です。

引用元
障害年金|日本年金機構

障害者控除

障害者控除とは本人や配偶者、そして扶養親族に障害がある場合、所得税と住民税を計算する際に所得控除を受けたり、相続や遺贈で財産を取得した法定相続人が障害者である場合、相続税から一定の金額が控除される税額控除を受けたりすることができる制度です。

なお、障害が重い特別障害者の場合には、控除額が大きくなります。

生活保護

資産や最低限の収入もなく、生活に困窮している人に生活費や住居、医療、介護などを公に提供するのが生活保護です。

財産を持っていない、貯金がない、支援してくれる親族もいないなどの受給条件を満たす必要がありますが、最低限生活するためのサポートをしてもらえるのは安心ですね。

障害者枠で就労していても月収が規定されている基準よりも少なければ、最低生活費に足りない分の保護費を受給できます。相談先は区市町村の福祉事務所です。

特別障害者手当

最後は特別障害者手当です。20歳以上で身体や精神に常時介護を必要とするほどの、重い障害がある場合に受給できます。支給額は令和5年4月時点で、月額27,980円です。所得制限があるので、申請窓口である区市町村の障害福祉担当課に確認しましょう。

副業する

障害者枠の収入では足りない分の生活費を、副業で稼ぐ方法もあります。インターネットを使った副業なら自宅でもできるので、スキマ時間を利用して稼ぐこともできるでしょう。

ただし、雇用先が副業を許可しているかどうかを確認してください。副業の可否やその条件について就業規則等で規定されているはずなので、必ずチェックしておきましょう。

また、副業に力を入れすぎて体調を崩してしまっては、元も子もありません。無理のない範囲で行うように注意してくださいね。

障害をお持ちの方が仕事を探す際に押さえておきたいポイント

障害をお持ちの方が仕事を探す際に押さえておきたいポイント

障害をお持ちの方が仕事を探す際には、一般的な就職活動とは異なる考慮すべき点がいくつかあります。ここからは、障害をお持ちの方が仕事を探す際に押さえておきたい重要なポイントについて見ていきましょう。

これらのポイントを意識することで、より自分に合った仕事を見つけ、充実した職業生活を送るための基盤を作ることができるかもしれません。

1.自己の特性について理解する

障害をお持ちの方が仕事を探す際、最も重要なのは、自己の特性を十分に理解することです。これには、自分の障害の種類や程度、それによる制限や必要な配慮、そして自分の強みや得意分野を含みます。自己分析を通じて、できることとできないことを明確に把握し、それを他者に説明できるようになることが大切です。

また、自己理解は自信にもつながります。自分の強みを認識し、それを活かせる仕事を探すことで、より充実した職業生活を送ることができるでしょう。

2.配慮や理解を得られる職場を探す

配慮や理解を得られる職場では、自分の能力を最大限に発揮し、長期的に安定して働くことができます。

まず、フレックス制や在宅勤務など、柔軟な勤務形態を提供している企業を探すことが大切です。次に職場のバリアフリー化や必要な設備の整備状況を確認しましょう。例えば身体障害がある場合、車椅子で移動できる環境や適切な高さの作業台など、物理的な環境整備が必要になることがあります。

また、障害への理解がある職場を探すことも大切です。必要な配慮を受けやすく、同僚とのコミュニケーションもスムーズになる可能性が高いです。

3.転職エージェントや就職支援機関を利用する

転職エージェントや就職支援機関を利用することは非常に有効な方法です。これらのサービスは、障害者雇用に関する専門的な知識と豊富な経験を持っており、個々の状況に応じたきめ細かなサポートを提供してくれます。

転職エージェントは、障害者雇用に積極的な企業や、特定の障害に適した職種の情報を豊富に持っています。求職者の特性や希望を理解した上で、適切な求人を紹介してくれるでしょう。

一方、公的な就職支援機関も重要な役割を果たします。例えば、ハローワークの専門窓口や障害者職業センターでは、障害者向けの求人情報の提供や職業相談、職業評価などのサービスを無料で受けられます。地域の企業とのネットワークも持っており、地元での就職を希望する場合に特に有用です。

障害をお持ちの方の転職をサポートしてくれる支援機関

障害をお持ちの方の転職をサポートしてくれる支援機関

ここからは、障害をお持ちの方が転職活動をする際に、相談に乗って支援してくれるサービスを紹介していきます。

支援機関を利用して転職をされた方の事例も、参考にしてください。

ハローワーク

ハローワークとは、全国にある「公共職業安定所」のこと。窓口や施設に設置してある検索機で、全国の求人情報を調べることが可能です。

ハローワークには専門援助部門が設けられており、窓口には専門の相談員が配置され、障害をお持ちの方が就職活動をするための支援を行っています。

一般向けの求人から障害者枠の求人まで、求職者の状況と企業の募集内容を照らし合わせながら相談に乗ってくれ、障害のある方向けに就職面接会を行ったり、面接に同行したりといったサポート体制を整えていることが特徴です。

引用元
障害のある皆様へ|ハローワークインターネットサービス

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」が運営しており、障害をお持ちの方に対して専門的な職業リハビリテーションを行う施設です。全都道府県に最低1カ所ずつ以上設置することが義務付けられています。

センターでは、直接就職先を紹介するという支援は行っていません。しかし、ハローワークと連携しながら、職業相談を受け付けたり、職種・労働条件・雇用状況などの求人情報を提供したりといった支援を実施しています。

障害者職業カウンセラー・相談支援専門員・ジョブコーチなどが配置されており、専門性の高い支援を受けられることが特徴です。

引用元
障害者雇用関係のご質問と回答|高齢・障害・求職者雇用支援機構

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を目指す障害者の方に向けて、トレーニングと就職活動の支援を行うことで就労をサポートする福祉サービス。通所型の障害福祉サービスで、「障害者総合支援法」という法律のもとで運営されています。

利用者にとって、事業所に通いながら就職に必要な知識や技術を獲得でき、職場見学や実習などを行い、事業所職員のサポートを受けながら仕事を探せることがメリットです。

全国に3,300カ所以上あり、利用するためには市区町村で手続きをする必要があります。就職後の定着支援まで行ってくれる事業所もあり、安心して頼れるでしょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターとは、障害をお持ちの方の仕事面での自立を図るため、雇用や福祉などの関係機関と連携し、地域で仕事と生活面での一体的な支援を行う施設です。名称が長いため、間の「・」から「なかぽつ」「就ぽつ」などと呼ばれることもあります。

なかぽつは、全国に337カ所(令和5年8月22日時点)設置されています。社会福祉法人やNPO法人などが運営しており、厚生労働省のページにある一覧から、近くのセンターを探すことが可能です。

障害をお持ちの方への就職支援や助言のほか、事業所に対して障害者雇用に関する助言を行ったり、関係機関との連絡調整を実施したりしています。

引用元
障害者就業・生活支援センターについて|厚生労働省

障害者向け転職エージェント

障害者枠を設けている企業や障害者雇用を推進する企業の求人に特化した、転職エージェントもぜひ利用してください。

障害者の方の就職活動におけるノウハウを持っており、高い専門知識も兼ね備えているので、初めての転職で不安を抱える方も心強いでしょう。そのエージェントしか取り扱っていない、非公開の求人情報を得られる場合もあります。

高い専門知識を持った専任のアドバイザーが、求職者の希望や障害の度合いなどをふまえた上でマッチングを行ってくれるのが特徴です。

就職前の準備から就職後の支援までしっかりサポートしてくれるため、自分の特性にマッチした仕事を見つけやすいというメリットがあります。

障害者枠でもしっかり生活できる収入がある仕事とは?

障害者枠でもしっかり生活できる収入がある仕事とは?

平均給与では一般枠よりも低くなりがちな障害者枠ですが、必ずしもすべての求人が低いというわけではありません。むしろ年収400万円以上で週3勤務やリモート勤務などの求人も、一般枠と変わらないくらい募集されています。

高収入な求人は、具体的にはIT系のプロフェッショナルであるエンジニアの募集が多い傾向にあります。また、語学や難関資格が必要な業務など、高いスキルや高度な知識が求められる仕事は、一般枠と同様に障害者枠でも高収入になります。

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自分にあった職場を選ぼう

自分にあった職場を選ぼう

障害者枠で働く人たちの平均収入は低く見えますが、労働時間が短いこと、同じ企業での勤続年数が短くなりやすいこと、障害への配慮を優先することにより業務内容が制限されることなどが原因として考えられます。配慮を得ることが、それ以外の待遇とトレードオフになる可能性があることは理解しておきましょう。

収入を安定させるために、障害年金や障害者控除などの各制度を上手に活用することも大切ですね。

DIエージェントは、「障害をお持ちの方一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ために、障害者枠で就職・転職を検討されている方に対して就職・転職についてのアドバイスや、ご希望に沿った障害者枠の求人紹介を行っております。

専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに寄り添った働き方を提案させていただきます。
「今の自分に無理のない働き方をしたい」「理解のある環境で働きたい」というご希望がありましたら、まだ転職は検討段階という状態でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

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